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ひるま、起きている
店が休みになって、もうすぐ二か月。それなのに、からだは、いつのまにか夜のほうに居ついたままなんだよね。
きょうも起きたのは、午後の二時すぎ。カーテンのすきまから、くもりの白い光が、ふわっと入っていた。最高気温は二十五度ちょっとだったらしい。そういえば、もう、夏の入口なのだった。
昼夜が逆転している、という言い方は、わたしの場合、ちょっとちがう気がする。もともと夜の人間だから、戻っただけ、というほうが近いかな。ただ、行き先がない。夜の八時になっても、氷を割る相手がいない。ステイホームという言葉は、やさしい顔をして、わたしの居場所だけをしまっていった。
夜中の一時。いつもなら閉店の時間に、靴を履いて、散歩に出る。駅の北側の裏通りは、看板の灯りが半分消えていて、濡れたアスファルトみたいに黒い。人がいないと、街は、化粧を落とした顔になる。だらしなくて、ちょっと正直で、見ていて悪くない。
古い映画を、一日に二本。白黒の中の人たちは、密なんて言葉を知らないまま、平気で肩を寄せ合っている。うらやましいような、ばかみたいなような。
朝の四時、窓の外が青くなる。眠る前に、麦茶を一杯。生活のほうが先に壊れたのに、わたしは、まだ生きているような顔をしている。たぶん、そのうち慣れる。慣れるのが、いちばんこわいんだけど。
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