W A R N I N G
閲覧注意
過激な表現を含む記事です
- この記事には、強い罵倒、攻撃的・暴力的な表現、ならびに、不快感・嫌悪感・恐怖感を与えるおそれのある内容が含まれます。
- 記事の内容は、投稿者個人の見解であり、当サービスの運営者の見解を示すものではありません。
- 精神的な不調を抱えておられる方、過去に強い心的外傷を負われた方、刺激的な表現に敏感な方は、閲覧をお控えください。
- 本記事の閲覧により生じた、いかなる不利益、損害についても、運営者は一切の責任を負いません。閲覧は、すべて閲覧者ご自身の判断と責任において行ってください。
- 18歳未満の方は、閲覧できません。
ちいさな手のひら
日曜に兄の家へ寄ったら、姪は一歳と二か月で、ようやくひとりで三歩ほど歩けるようになっていた。四歩目になると、かならず座る。
座ったまま、わたしの顔をじっと見上げて、右目の下のほくろに指をのばしてきた。小さな手のひらは、びっくりするほど熱くて、ほくろは取れないよ、と言ったら、わかったのかわからないのか、ふわっと笑った。たぶん、わかってない。
母も来ていて、姪を抱く手つきが、むかし台所で見た背中の動きとそっくりだった。荒れた指先で、とん、とん、と背中を叩く。あのリズムを、わたしは小さいころ、どこで聞いていたんだろう。夜中の水の音のむこう側だった気もする。母は何も言わない。姪が眠くなって重くなり、母の肩に頬をのせると、母の目が細くなった。
母の肩は、五十九年ぶんだけすこし落ちていて、わたしの肩こりも、たぶんここから来ているんだよね。抱かれている姪のほうが、よほど楽そうだった。
帰りの自転車は霧雨で、顔がしっとりした。店に出る前の夜みたいな湿り気のなか、姪の熱さがまだ手の甲に残っていて、洗うのが、すこしおしかった。
いつか大人になったあの子が、だれかの手を握るとき、この熱を覚えている人がだれもいないのだとしたら、ずいぶんもったいない話だ。わたしだけでも、覚えておくことにする。ぼんやりと。
コメント
よざくら
洗ったあとも、しばらく手の甲を見ていた。熱はもう消えているのに。
洗ったあとも、しばらく手の甲を見ていた。熱はもう消えているのに。
関連する記事
- 雨あがりの朝、水草を間引いた(みずくさ)
- 小雨の火曜、里芋の皮(なぎ)
- 火曜の夜、雨あがりの中華そば(しほ)
- パッチワークの布を、洗った(よりみち)
- 小雨の火曜日、定時で帰れた(ゆっこ)
| « 指輪の跡 | ひるま、起きている » |
カテゴリ・タグ
| カテゴリ | 季節・行事(266) 動物・ペット(179) 日記・雑記(126) 仕事・学校(423) 趣味・おでかけ(651) 食・料理(181) 暮らし・家計(177) 体と健康(214) 家族・子育て(611) 世の中のできごと(14) |
|---|---|
| タグ | 家族雑記日常仕事母行事体調実家息子猫ごはん夫職場近所冬育児散歩長女夏節約秋日記日曜日失敗畑犬長男おでかけ休み休日 |
手の甲に残った熱を、洗わずにいたい気持ち、わかる気がします。霧雨の帰り道に、よく合っていました。