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よはく

実家の縁側に置いてきたもの

2008-10-28 · カテゴリ: 日常

日曜に寄れなかったので、火曜の仕事のあと、少しだけ実家に顔を出しました。霧雨が降ったりやんだりの夕方で、自転車ではなく、ひさしぶりに歩いていきました。

玄関を開けると、母は台所で内職の検品の箱を片づけているところでした。小さな部品を、ひとつずつ光にかざして見る仕事です。細い目をさらに細くして、「今日は目がしょぼしょぼする」と言います。そう言いながら、手は止まりません。

奥の部屋では、父がテレビの前で新聞を広げていました。こちらを見て、「来たか」と一言。それだけで、また紙面に戻ります。口数は少ないのに、帰るころには、仕事で使えそうだからと切り抜いた記事が、机の端に積んでありました。いつも、黙って用意してくれています。

縁側のガラス戸の向こうでは、祖母が家から持ってきたという座布団に腰かけて、庭の柿を眺めていました。背中が丸くなって、座布団のほうが大きく見えます。柿は、まだ渋いまま色だけ先に染まっていて、「干すにはもう少し」と祖母が教えてくれました。

帰りがけ、母が漬物の袋を持たせてくれました。袋の底が、少しあたたかい気がして、振り向くと、縁側の灯りがぼんやり滲んでいました。霧雨のせいでしょう。実家は、近いのに、行くたびに少しだけ遠足のような気分になります。

実家母

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