柿の皮、三十二個
今朝は土曜の当番がない週だったので、妻と二人で母の家へ行った。雨が二日続いたあとで、空はよく晴れていたが、風は強かった。干し柿には、ちょうどいい日である。
弟の畑の渋柿を、母がかごに分けておいてくれていた。数えたら三十二個あった。母が皮をむき、私が枝に紐をかけ、妻が熱湯にくぐらせる係になった。母の手は相変わらず早くて、去年の二月に骨折した手首のことは、もう気にしていないようだった。
私がむくと、どうしても皮が厚くなる。妻はピーラーを使えばいいと言うし、母は包丁でむくものだと言う。まあ、包丁で続けた。紐の結び方にも母の決まりがあって、枝をT字に残し、二つずつたすきにかけていく。縫い物の玉止めと少し似ているが、指の向きが逆で、引くときの力の入れ方も違う。いや、長いな。とりあえず、全部結べた。
軒下に三十二個の柿が並び、橙色が風で少しずつ揺れていた。母は「正月には食べられる」と言っていたので、今日から数えて八週間ほどになるか。
帰りに、むいた皮を少し分けてもらった。たくあんに入れると甘くなるらしく、妻がやってみると言っている。家に戻ると、長男はまだ机に向かっていた。干し柿ができるころは、ちょうど受験の直前である。そのときは一つ、多めに持って帰ろうと思う。
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