鯵四尾、三尾目で骨が鳴った
今日の実習は、鯵の三枚おろし。ひとり四尾。先生は「数をこなすのが、いちばん早い」としか言わない。
手順は、ぜいごを取る、頭を落とす、腹を開いてわたを出す、血合いまで洗う、水気をふく。そこから中骨に沿って包丁を入れる。……ここまでは、書けるんですよ。書くだけなら。
いや、これは語らせてほしいんですが、三枚おろしは包丁を「動かす」のではなくて、骨に「当てて」滑らせる感覚なんですよ、これが。力を入れると身が割れるし、入れなさすぎると中骨に身がべったり残るし、その加減は手順書のどこにも書いていなくて、結局は指先と刃先で覚えるしかないわけです(先生の手元を後ろから三回のぞいたけれど、見ても分からなかった)。一尾目、中骨にかなり身が残った。もったいない。二尾目は少しまし。三尾目で、すっと抜けた。骨の硬さと身の柔らかさの境目が、包丁の先から指まで届いた感じ。左手の人差し指の古い傷が、そのときだけ妙に存在を主張していました。
ちなみに、骨に残った身は、先生いわく「スプーンでこそげて、つみれにしなさい」。無駄にしない。さすがです。四尾目は、全然きれいにおろせたと思っています。
……という話を、アパートで鯵の骨を思い出しながら書いています。包丁は、まだ研ぎ直していない。明日の朝にやる。
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