祖父の作業帽が、玄関の釘にかかっている
朝、玄関の釘に祖父の作業帽。昨日の夕方、納屋から戻ったときに掛けたらしい。この釘、祖父が自分で打ったもので、帽子専用なんですよ。わたしの帽子もときどき横取りして掛けている。
今日は金曜で、仕事。朝の散歩にごまを連れて庭に出たら、祖父もいた。くもり。風は弱い。最高13℃まで上がる日で、朝の空気がもう少しゆるんでいる。祖父は納屋の戸を開けて、のぞいて、閉めて、また開けていた。探し物ではなさそう。(たぶん、ただ見ていたいだけ)
いや、これは語らせてほしいんですが、あの納屋、祖父が長年かけて集めた金物と古い器と、用途のよくわからない木の箱でできているんですよ、これが。棚の釘一本、ねじ一本まで置き場所が決まっていて、わたしが一個ずらすと、翌日には元どおり。誰がやったかは、聞くまでもない。……という話を祖母にしたら、「あの人は昔からそう」とだけ。五十年以上いっしょにいる人の、短い総括です。
帰ってきて見たら、帽子はまだ釘。祖父は昼寝中。ちなみに内側に、薄く汗の線が入っている。洗わないでほしい、と本人は言うけれど、それはもう洗ったほうがいいと思っています。
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