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市民ブログ » 乾物屋の台所と自転車

ひじき

霧雨の朝、ひじきを戻す

2025-08-27 · カテゴリ: 日常

今朝は霧雨でした。窓を開けると、湿った空気が台所に入ってきて、夏の終わりの匂いがしました。最高気温は29℃に届かず、このところの暑さからは、少し息がつけた日です。

毎朝、惣菜のひじき煮を仕込みます。乾燥ひじきは、たっぷりの水に30分ほどつけて戻します。短くつけすぎると芯が残り、長くつけすぎると味が抜けます。水に溶けるうまみもあるので、戻し汁は捨てず、煮るときに少し足すこともあります。ただ、ひじきは海のものなので、底に沈んだ砂は入れないよう、上澄みだけを使います。この「上澄みだけ」が、手間のいちばんの山場です。

戻っている間に、猫に朝ごはんをやって、店の床を掃きました。こういう待ち時間に、ほかの用事を片づけるのが、段取りというものだと思っています。猫は、ひじきが戻る様子を、ボウルのふちからじっと見ていました。魚ではないので、期待はずれのようでした。

昼前にお客さんが、「雨だと、煮物が食べたくなるのよね」と言って、ひじき煮を量り売りで買っていかれました。気温が下がると、甘辛い味が恋しくなる。理屈はよく分かりませんが、毎年同じ時期に、同じことを言われます。台所で毎日同じことを繰り返していると、こういう小さな季節の目印が、いちばん確かなカレンダーになります。

料理店

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