ポケットに、どんぐりが三つ
朝から雨でした。出庫前の車庫は、屋根をたたく音でいっぱいでした。ワイパーのゴムを指でなでて確かめてから、乗りこみました。
制服の上に着る上着のポケットに手を入れたら、どんぐりが三つ出てきました。きのうは晴れたけん、黒糸山の手前の低か尾根を、少しだけ歩いたとです。そのとき拾ったものでした。帽子のついたのが一つ、つるんとしたのが二つ。すっかり忘れとったばい。
きのうは空が高くて、日なたは汗ばむくらい。ばってん、木の下に入ると、ひやっとする。落ち葉の上で、どんぐりがころころ鳴っていました。ゆで卵を食べながら句帳をひらいたのに、結局、拾うほうに夢中になったごたる。句帳は白いまま、ポケットだけ重くなって帰ってきました。
今日は、カップホルダーにどんぐりを入れて乗務しました。駅待ちのあいだ、雨の音を聞きながら、ひとつだけ書きました。
団栗の三つ揺れをる雨の朝
(団栗は秋の季語で、よかったはず。ばってん「雨の朝」が、あとから足したごたる。)
帰ってきて机の上に並べたら、きなこが前足で、ひとつ床に落としました。残りの二つは、もうしばらく机の上に置いておきます。まぁ、よかたい。
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