ふきんの角が合わない
朝のうちに、刺し子のふきんを一枚仕上げた。麻の葉の模様で、十一月に入ってからは手元がしゃっこくて、針を持つ指がなかなか温まらなかった。
縫い終わって広げてみると、四隅のうち一か所だけ、模様の角が半目ずれている。定規を当てて確かめたが、やっぱりずれていた。最初の下書きの線を、ほんの少し斜めに引いたらしい。大工なら墨を打つ前に必ず差し金を当てるのに、針仕事だと、つい線を目で引いてしまうんだな。まぁ、いいかと言いたいところだども、やっぱり気になる。
糸は白で、布は紺。一目が約3mmで、全部で四百と少し刺した。数えたわけではないが、そのくらいは刺したはずだ。ほどいて直すと三日はかかるので、やめた。ずれたままで台所に掛けることにした。
昨日うちに来た猫が、ふきんの端を前足でちょいちょいやっていた。糸を引っぱられると困るのだども、本人はやけに楽しそうだった。そのうち膝に乗ってきて、そのまま丸くなってしまって、針が持てなくなった。
夕方、そのふきんで湯呑みを拭いてみた。吸いがいい。ずれた角も、使っているうちに見えなくなるだろう。次は下書きに定規を使う。手を動かすしかない。
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