母の湯のみを、まだ洗っています
くもりの朝、六月の終わりにしては蒸して、窓をあけても風がぬるいままでした。庭の餌台には、スズメが三羽。水を替えてやると、すぐに降りてきます。
母が亡くなって、もうすぐ一年半になります。あおぞら苑の部屋を片づけた日のことは、いまも手ざわりで思い出せます。小さな湯のみが一つ、引き出しに残っていました。持ち帰って、洗って、食器棚のすみに置いたまま。使うでもなく、しまうでもなく、ときどき手に取って洗うのが、いつのまにか習慣になりました。洗うたびに、水がすこし冷たくて、ああ、今日も、と思います。
看取ったあとは、しんどい日が続きました。通っていた足が、ふっと行き先をなくして、週に二、三回の道を、車がひとりで曲がりそうになるのです。さて、いつまでこうなのかしら、と笑ってしまったこともあります。ふふ。夫のときとは違う、静かな空っぽでした。
今朝、長女から電話があって、孫が「ばあばの庭の鳥、また見たい」と言っていると聞きました。ほんま、ありがたい話です。母にも見せたかったなあ、と、受話器を置いてから、ぽつり。
湯のみに麦茶を注いで、母の席のほうへ置いてみました。
梅雨曇 母の湯のみに 麦茶さす
コメント
関連する記事
- 母の三回忌から、三年と四か月(つぐみ)
- 立冬をまえに、柿を二つ(つぐみ)
- 十七音が、出てきません(つぐみ)
- 図書室の棚に、文庫の歳時記を戻す(つぐみ)
- お彼岸の中日、母の畑で芋をもらった(あかね)
| « 立冬をまえに、柿を二つ | 母の三回忌から、三年と四か月 » |
カテゴリ・タグ
| カテゴリ | 家族・子育て(397) 食・料理(92) 季節・行事(157) 趣味・おでかけ(378) 日記・雑記(71) 仕事・学校(217) 動物・ペット(76) 暮らし・家計(116) 体と健康(125) 世の中のできごと(12) |
|---|---|
| タグ | 日常家族仕事母雑記行事息子体調実家夫近所冬職場ごはん育児夏節約秋失敗猫日曜日休み長女おでかけ休日畑散歩自転車パッチワーク健診 |