雨の吟行は、中止になりました
朝から雨でした。窓をあけると、柿の木の若葉がしっとり濡れて、餌台にはスズメが二羽、羽をふくらませて並んでいました。
今日は、句会の仲間と湖岸へ吟行に行くはずでした。葦原でオオヨシキリが鳴きはじめる頃で、わたしは前の晩から、句帖と双眼鏡を鞄に入れて待っていたのです。けれど六時すぎに、句会の先生から電話がありました。「この雨ではね、無理をしないでおきましょう」とのこと。声がいつもよりゆっくりで、ああ、先生もがっかりしているのだな、と分かりました。
仕方がないので、窓辺で句帖をひらきました。雨の音を聞いていると、言葉がぽつぽつ出てくるものですね。いつもは外を歩いて拾ってくる季語を、今日は家のなかで拾う。紫陽花、梅雨寒、濡れた傘。昼前まで、あれこれ書いては消していました。双眼鏡を出して、庭のむこうの電線にとまるツバメを見ていたら、雨のなかでも案外よく飛ぶので、おや、と感心してしまいました。
吟行は来週に延びるそうです。ひとり約束のなくなった土曜日も、悪くないですね。長女のいない家は静かですが、雨の音があるぶん、さびしさも少しやわらぎます。
梅雨寒や句帖の余白ひろげおり
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