曇り空の朝、八幡さままで
朝六時、くもり空の下をむぎと歩きました。霧雨が続いたあとで、あぜ道の草がまだ湿っていて、むぎは鼻をつけたまま、なかなか進みません。十三歳になって、足どりはゆっくりです。私もそれに合わせて、ぼちぼち歩きます。
堤防に出る手前に、八幡さまがあります。小さな神社ですが、むぎはここの石段の下で、いつも一度立ち止まります。父が元気だったころ、三人で寄っていた場所なんです。今朝も、むぎは鳥居のほうをじっと見ていました。私は軽く頭を下げて、お参りというほどでもなく、通りすぎました。
堤防では、風が少し湿っていました。マスクをしたまま歩くと、息がこもりますね。人がいないのを見て、顎までずらしました。むぎは海のほうへ顔を上げて、においを調べていました。そのしっぽが、まだくるんと巻いているのが、ありがたいことです。
四月から寺の手伝いが毎日になって、朝の散歩の時間が、前より大事になりました。帰ってから母と朝ごはんを食べて、八時半に出勤します。今日もお寺の掃除と電話番です。ぼちぼちやっていきます。
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