ココが座り込んだ五分
朝五時半に目が覚めた。妻はまだ寝ていたので、とりあえず、起こさないようにココを連れて外へ出た。
昨日の霧雨で道がまだ湿っていて、空気は冷たい。上着を一枚多く着てきて正解だった。ココは鼻を地面につけたまま、ゆっくり歩く。13歳になって、去年よりまた歩幅が小さくなった気がする。
北野ひろばまで来たところでベンチに座ると、芝にはまだ水滴が残っていた。ココはその前で座り込んで、五分ほど動かなかった。私も動かずに待っていて、近所の柿が色づいているのに、そこで初めて気がついた。
帰り道でも、ココは一度だけ急に足を止めた。抱き上げるほどではなく、声をかけるとまた歩き出した。なるほど、休みたかっただけか。
家に着いたのは六時十分だった。朝の散歩はふだん妻の担当なので、今朝は私が歩いたと伝えたら「珍しいね」と言われた。まあ、そうだ。
ココの足を拭いてやると、後ろ足の毛が少し薄くなっているのが分かった。次の休みに動物病院で診てもらうか。いや、まだ先だな。とりあえず、今日も仕事。
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