母の肩を、もんでみました
土曜日、仕事が休みなので、昼前に母の家へ行ってきました。外はくもりで、風が少し冷たく、上着を着て出ました。
母は84歳になり、この頃は一日のほとんどを、こたつの横の座椅子で過ごしています。背中がずいぶん丸くなって、座っていると、小さな座布団のようです。「おなかはすいてないよ」と言いながら、私が持って行った煮物を、ひと口、ふた口と食べてくれました。
帰る前に、肩をもんでみました。かたくて、びっくりしました。「あら、気持ちいいねえ」と目を細めるので、しばらく続けました。母の肩は、ほんとうに薄くなっていて、骨の形が手に伝わってきます。看護師の仕事で、いろいろな方の肩や背中に触れてきましたが、自分の母となると、また違う感じです。
来月には、長女が結婚します。その話をすると、「花嫁さんを見られるなんてねえ」と、何度もうなずいていました。着物を着ていこうか、いや座っているのがつらいか、と二人で言い合って、結局、決まりませんでした。
玄関で靴をはいていると、「また来週ね」と声がしました。振り向くと、母は座椅子に座ったまま、手だけ振っていました。
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