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ろくさん

母の割烹着を、まだ畳めない

2023-05-20 · カテゴリ: 日常

母が亡くなって、三か月になる。

四十九日は、とうに終わった。弟は、法要のあと、二日だけいて帰った。香典の返礼、役所の手続き、施設の荷物の引き取り。順番に片づけていくと、意外に早く終わった。手順が決まっているものは、楽だと思った。

決まった手順がないのが、家の中のものである。今日は、土曜で、パートも休みだった。くもりで、風も弱く、午前のうちに、母の部屋の押入れを開けた。布団、座布団、使っていない湯のみ。どれも、捨てる理由もなければ、残す理由もない。三つの箱を用意して、「残す」「譲る」「処分」と書いたが、「残す」の箱ばかが、ふくらんだ。

奥から、割烹着が三枚出てきた。どれも洗ってあって、きれいに畳んである。母は、倒れる前の日まで、これを着て、畑に出ていた。一枚だけ広げてみたが、すぐに元の折り目で戻した。畳み方が、母のとおりでないと、落ち着かない。

箱の横で、くろが丸くなって、こちらを見ていた。九歳の猫は、押入れの匂いが懐かしいのか、中にもぐり込もうとする。結局、午前の成果は、湯のみ二つである。急ぐ仕事ではない、と自分に言っておく。割烹着は、今日のところは、押入れに戻した。

母実家

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