指先の座布団を自分で剥がしました
朝起きたら窓の外が一面真っ白で、コーヒーを淹れてそのまま二階の音楽部屋に直行したわけですが、部屋が冷え切っていて、ギターのネックが冷蔵庫から出した瓶みたいに冷たい。最初のコードで指が固まり、ストーブの前で手をあぶりながら弾く五十一歳、絵面がほぼ焚き火の人という話(違)。
駅前のライブバーのオープンマイクに出るようになってから練習量がガチで増えて、左手の指先がまた硬く育ってきたんだよな。中学の春休みに中古のギターを買ったときは、弦が食い込んで夜に指先がじんじん脈打って眠れなかったものですが、あの痛みを越えると指の腹に小さな硬い座布団ができて、細い弦の震えがちゃんと返ってくるようになり、音の濁りがすっと消えていく。気になってググったら、皮膚が厚くなるのは数週間単位の話らしく、結局は毎日少しずつ弾くのが一番の近道だったりする。力任せに握るんじゃなくて押さえる場所が大事なわけで、若いころのオレはそれを知らずにネックを絞め上げていました。
で、今朝。その座布団の端がめくれかけていて、つまんでいたらぺりっと剥がれ、下からつやつやの新品の皮が登場。キタコレ、じゃない。弾いたら普通に痛い。三か月かけて貯めた貯金を、自分の手で全額下ろした気分です。
妻に見せたら「かさぶた剥がす小学生と同じ」と一言。ぐうの音も出ません(笑)。今日はもう練習するずくがないので、指を休めて、学生時代に擦り切れるほど聴いた神盤を棚から引っ張り出す日にします。ジャムがギターケースの中で丸くなっているのも、たぶん休めという合図なんだよな。オレの指先、乙。
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