祖父の鉛筆で「合祀済」
けさは冷えたので、手がつめたいまま、自転車で祖母の家まで行った。春休みのあいだに、祖父の本棚の整理を、すこしずつ手伝っている。
いちばん下の段に、うすい箱入りの郷土史の本があった。市の教育委員会が出したもので、奥付は昭和53年(初版、たぶん)だった。町ごとの社寺が一覧になっていて、いちばん最初に開いたのは、うちの近くのページ。坂下天神社のところに、祖父の鉛筆で、ちいさく「合祀済」と書きこんであった。坂下の天神さんは、昭和の終わりごろに近くの小さな社を合祀している(と、記録帳の3冊目で読んだ)ので、この本が出たころは、まだその社が、べつの一行として載っていたみたい。祖父はそこに線を一本引いて、横に平成17年と、日付まで書いていた。几帳面なひとだった。
ふしぎなのは、合祀されたほうの社の祭神が、本と記録帳でちがうことで、本は少彦名命、記録帳は「大己貴命か?」になっている。祖父の「?」はめずらしいので、現地の案内板と本とで、食いちがっていたのかなあ。どっちも国づくりをいっしょにした神さまなので、まざりやすいのかも(うろおぼえ)。いまの案内板を、ぼくはちゃんと読んだことがないんだけど。
というわけで、あした見に行く。祖母に本を借りていいか聞いたら、「おじいさんの字は、汚うて読めんじゃろ」と言われたけど、読める。たぶん、いまはぼくがいちばん読める。
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