畑の隣の、祖母の背中
日曜日、市民農園へ行きました。くもっていて、風が少し冷たく、手袋をしたまま土を触りました。今日はじゃがいもの畝をつくる予定でした。
土を起こしていると、祖母のことを思い出しました。実家の隣の家に、ひとりで暮らしていた祖母です。小さな体で、背中を丸めて、毎日のように畑に出ていました。小学生のころ、私はその後ろにくっついて、種のまき方を教わりました。「深くまかんでええよ。土は、ふとんくらいでええの」と言われたのを、いまも覚えています。
子どものころは、よく近所のいなり広場のような、小さな広場で遊んでいました。帰りに祖母の畑をのぞくと、いつも「手を洗ってから、これ食べ」と、取れたてのきゅうりをくれました。塩もつけずにかじると、水の味がして、おいしかったです。
祖母が亡くなって、もうすぐ4か月になります。畝を立てながら、「ここ、もう少し高くしなさい」と、後ろから声がする気がしました。振り向いても、もちろん誰もいません。
帰る前に、種いもを植えた畝に水をやりました。祖母に教わったとおり、深くなりすぎないように、土をそっとかぶせました。芽が出るころには、少し暖かくなっているはずです。
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