網の穴は、18か所あった
朝4時半に起きて、風がほとんどないのを確かめてから家を出た。港を出たのは5時10分で、昨日の夕方に入れておいた刺し網を上げに行った。
上がったのは、カレイが9枚とメバルが14匹、それと網の破れが3か所だった。理由は、たぶんフグだ。破れの縁が刃物で切ったように丸く抜けていて、カニならもっと引きちぎった形になるはずだ。
港に戻ったのは8時過ぎで、魚を組合に出してから、網は軽トラで家まで運んだ。庭に広げていると父が縁側から下りてきて、何も言わずに針と糸を取りに行ったので、自分もその隣に座った。
数えてみると、穴は全部で18か所あった。船の上で見つけたのは3か所だけなので、残りの15か所は暗いうちは見えていなかったことになる。眼鏡を上げて見ると、小さい穴ほど意外とよく見える。近くのものは裸眼のほうが強いらしく、0.1の目にも使いみちはあるものだ。
父は18か所のうち11か所をふさぎ、自分は7か所だったので、速さではまだ勝てない。昼前に母がお茶を持ってきて、二人の手元を見比べてから黙って戻っていったが、あの沈黙はたぶん父の勝ちという意味だ。ごまは途中から網の上で寝ていて、どかすのに一番時間がかかった。
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