電柱の注意書きが読めた朝
右目の手術を受けたのが三月七日で、今日でちょうど九日になる。きのうの夕方に病院で経過を診てもらい、眼圧も問題なし、点眼薬は一日四回のまま続けるように、とのことであった。
朝の散歩の途中、電柱に貼ってある注意書きがふと目に入って、そのまま読めてしまった。これまでは近くまで寄らんと読めなかった字やさかい、三十歩ほど手前で立ち止まり、しばらく眺めてしもうた。左目は二月八日に済ませとるので、両方がそろって、ようやく世界が一枚の絵になった感じである。裸眼で0.8、手元だけは老眼鏡がいる。数字にすると地味やけど、見える量はずいぶん違うなぁ。
困ったこともあって、洗面所の鏡に顔のしわと白髪がはっきり映るのである。八十にもなると、知らんほうが気楽なこともあるんやろか。まぁ、事実は事実や。ついでに仏壇のほこりまで見えるようになり、朝から拭き掃除をしてしもうた。妻が生きとったら、「いまごろ気づいたん」と言うたやろな。
夜は目を休めるために、野球はテレビを見るだけにして、単語帳も一日十分にとどめとる。ちょっと調べてみたら、手術のあとひと月ほどは、目をこすらんことと、顔を強く洗わんことが大事らしい。ほやさかい点眼の回数は、手帳に正の字で数えとる。ぼちぼちや。
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