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わかさぎ

皿洗いの手が、おぼえてきました

· カテゴリ: 仕事・学校

居酒屋のアルバイトを始めて、三週間になります。週に三回、夕方五時から十一時までの約束ですが、今日は日曜の夜のシフトに入りました。雨が一日じゅう降っていて、客足はゆるやかで、そのぶん皿を洗う時間が長かったです。

最初の週は、ジョッキを二つ割りました。泡の立つ生ビールを運ぶときは指が冷たくなって、持ち手がすべるのだと、そのとき初めて知りました。店長は「怪我がなければいいよ」とだけ言って、すぐ次の注文を取りに行きました。ぼくは割った時刻と本数を、帰ってからノートに書きました。変な習慣ですが、書いておくと少し落ち着きます。

三週目の今日は、皿洗いの手順がだいたい体に入ってきたみたいです。油ものを先に洗って、グラスは湯を替えてから最後にまわします。湯の温度は、たぶん四十度くらいがちょうどいいです。魚の焼き台の掃除も任されましたが、大学で魚の勉強をしているのに、店では焼いたあとの骨をかたづけているので、ちょっとおかしいです。

帰りは十一時半をすぎていて、傘をさしたまま、アパートまで自転車を押して歩きました。時給は七百五十円ですから、今日の分は四千五百円になります。仕送りと合わせれば、家賃の三万八千円はなんとかなりそうで、それだけでも気持ちが軽くなります。

立ちっぱなしで、足がこわいです。でも、湯気の中で皿が少しずつ重なっていくのは、きらいではありません。

アルバイト一人暮らし雨

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