二十二年目の双眼鏡
朝から雨でした。窓の向こうの田んぼも水路も灰色に煙っていて、餌台には鳥の影一つありません。
鳥見には出られないので、双眼鏡の手入れをすることにしました。二十二年前、湖岸で白鳥の群れに見とれていたわたしに、夫が買ってくれた最初の一台です。今は軽い物も持っていますが、雨の日に磨くのは、決まってこちら。埃を吹き飛ばして、レンズ用の紙で、真ん中から外へ、丸く拭きます。老眼鏡を掛けて覗き込むと、目に当てるゴムの所に、小さなひびが入っていました。いつの間に。首に掛ける革紐も、端が白く毛羽立っています。
今朝のラジオで、各地で今季一番の冷え込みと言っていましたね。こちらは雨で、今朝はそれほどでもありませんでしたが、昨日の朝は随分冷えました。湖岸まで出掛けたら息が白く、上着のポケットにカイロを二つ入れていた程です。葦原の向こうにコガモが十羽ほど。双眼鏡の金具が指に冷たくて、ああ、冬が近いなあ、と声に出ていました。
ゴムのひびは気になりますが、まだ見るのに困る程ではありません。替えの部品が、今でもあるのかしら。晴れたら、眼鏡屋さんで聞いてみましょうか。磨き終えてケースに仕舞うと、雨音が少し大きく聞こえました。
秋雨や双眼鏡の革紐細る
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長く使われた双眼鏡は、手に馴染んで、替えがたいものですね。目当てのゴムは、型によっては交換できることがあります。こちらの湖岸でも、コガモが増えてきました。