双眼鏡の曇りどめと、霧雨の朝
十一月十七日、水曜日。出勤前の六時半に、近所の川沿いを三十分ほど歩きました。霧雨で、最高気温も十三度台という予報どおり、空気は湿って、ひんやりしていました。カルガモが十羽ほど、岸の草の陰に固まっていて、その上をセグロセキレイが一羽、短く鳴きながら横切っていきました。
問題は双眼鏡です。倍率八倍の、もう十年以上使っているものですが、霧雨の中では対物レンズに細かい水滴がつき、接眼レンズ側は僕の息と眼鏡で曇ります。要するに、両側から攻められるわけです。ハンカチで拭いても、繊維で水を広げるだけでした。結局、帽子を深くかぶって雨粒を避け、拭くのは出勤前にやめて、レンズキャップを閉めたまま歩く時間を長くしました。使わないのも、道具を守る手のひとつです。
ちなみに、レンズを拭くときは、まず息を吹いて砂粒を飛ばし、清潔なレンズ用のクロスで軽く円を描くようにします。いきなりこすると、細かい砂でコーティングに傷がつきやすいからです。理科の授業で顕微鏡のレンズを扱うときにも、生徒に同じことを話しています。
帰宅してから、双眼鏡を玄関の新聞紙の上に置いて、乾かしました。湿ったまま革のケースにしまうと、カビのもとになります。不思議なもので、毎朝一緒に歩いている道具なのに、手入れはいつも後回しです。さて、今夜は図鑑の付箋も貼り替えておこうと思います。まあ、そういうことです。
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