腰にくる三月
夜勤が明けて、朝のうちに家に帰った。ゆうべは小雪がちらついていて、駐車場の雪をどけたせいか、腰がずっと重い。
この時季は、いつも腰にくる。寒さで体がかたくなるのだと思うが、移乗の介助のときは、いつもより一呼吸おいて足の位置を決めるようにしている。それでも朝になると、じわっと痛みが出てくる。まあ、仕方ないかな、と思う。
帰ってから熱い番茶をいれて、こたつで少し丸くなっていたら、母が「腰、あたためろ」と言って、古い湯たんぽを持ってきてくれた。父は何も言わずにテレビを見ていて、ムギは足もとに来て、そのまま寝てしまった。
午後になって、ムギと八幡さまの近くまで、ゆっくり歩いた。猫背がますます丸くなっているのは自分でもわかったが、歩いているほうが、座っているよりも腰は楽だった。体はふしぎである。
風はまだ冷たいけれど、日はのびてきた。
春の雪腰をさすって帰りけり
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