帰りの自転車、友だちが急に止まった
土曜の午前中だけ、補習があった。受験生でもないのに、2年の2月に補習。まあ、仕方ない。
終わって校門を出たら、友だちが「ちょっと寄ってく?」と言った。急ぐ用事もない。うなずいた。
行き先は、帰り道から少し外れた川沿いの道。友だちは橋の手前で急に自転車を止めて、「ここ、夕方になると鳥がすごい」と言い出した。まだ昼前だ。鳥はいない。「いないじゃん」と言うと、「今日はたまたま」と返ってきた。たまたまで寄り道させるな。
でも、そのまま橋の上で、自転車を止めたまましばらく喋った。新しく買った携帯の話とか、オリンピックのスノボの選手の髪型とか、どうでもいい話ばかり。川は思ったより冷たそうで、風だけが春っぽかった。
結局、鳥は一羽も来なかった。友だちは「また今度見せる」と言っていた。たぶん来ない。それでも、家に着いたのはいつもより40分遅くて、母に「どこ行ってたの」と聞かれた。「鳥を見に」と答えたら、変な顔をされた。まあ、間違ってはいない。
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