坂の途中で立ち漕ぎをやめた
高校に入って一週間ちょっと。片道30分の自転車通学にも、体がやっと慣れてきた。
通学路には、ゆるい上り坂が一本ある。毎朝、ここで立ち漕ぎをするかどうかで、自分と小さな勝負をしている。今日は日曜だから、学校はない。それでも気になって、昼前にひとりで走ってみた。何のためにだよ、と自分でツッコんだ。
坂の脇の土手に、桜の花びらがたまっていた。風が吹くたびに、道の端でくるくる回る。平日の朝は急いでいて、まず見ていなかった。花びらの上を走ると、タイヤの音が少し変わる。これは発見だった。
坂の途中で立ち漕ぎをやめて、座ったまま上ってみた。普通にきつい。でも、きついなりに景色は見える。畑の向こうに、ビニールハウスが光っていた。朝は、前を走る同じ制服の背中しか見ていない。
結論。急がなければ、通学路はわりと見どころが多い。ただし、遅刻しない範囲で。そこは現実的にいく。
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