右手の人さし指
日曜ですが、今日は仕込みから入る日でした。朝は霧雨で、むしむしします。帰ってきて、風呂のあと、手を眺めています。
右手の人さし指に、ひび割れが一本。包丁を握ると、ちょうどそこが当たります。水と洗剤と、冷たい氷水。手荒れは、この仕事の通行手形のようなものです。持っていないと、一人前に見られません。
対策は、地味です。洗ったらすぐ拭く。水気を残すと、蒸発するときに、皮脂まで持っていくからです。夜は、ハンドクリームを塗って、綿の手袋をして寝ます。妻には「新手の怪盗」と言われました。反論できません。
腰の方は、立ちっぱなしで、夕方から張ってきます。まな板の高さが、少し低いのです。脇板になってから、仕込みで前かがみの時間が増えました。台の下に、薄い板を一枚かませるだけでも、だいぶ違います。理屈は簡単で、背中を曲げる角度が減るからです。
五十代も後半になって、体も道具のうちだと、思うようになりました。包丁は毎日研ぎます。自分の手と腰にも、同じだけの手間をかけてやろうと思います。
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