霧雨のなか、きゅうりを十一本
仕事が午後三時に終わる日は、帰りに畑へ寄れます。今日は木曜日で、霧雨が降っていました。傘をさすほどでもなく、かといって帽子はしっとりしてくる、あの中途半端な降り方です。それでも気温は34℃まであがって、蒸し暑さのほうが先に身にこたえました。
きゅうりは、ひと晩でびっくりするほど育ちます。三日前に見たときは影も形もなかったものが、葉の陰で、立派な顔をして下がっていました。数えたら十一本。大きくなりすぎて、黄色みを帯びかけたものも二本あります。こうなると、少し苦いのです。昨日の小雨のあとで、一気にふくらんだのでしょう。収穫のたびに「次は、もう少しこまめに来よう」と思うのに、この季節は毎回同じことを書いている気がします。
持ち帰る前に、実家へ寄りました。母は膝をさすりながら出てきて、「ちょうど漬物にしたかったのよ」と、籠の中を見てうれしそうに目を細めました。塩をふって板ずりをする手際は、私よりずっと早く、迷いがありません。大きくなりすぎた二本は、皮をむいて炒めるといい、と教わりました。きゅうりを炒めるという発想が、そもそも私にはありませんでした。
夜は、残りを味噌汁の具にしてみました。しゃきっとしたまま、ほんのり甘くなりました。猫は台所の隅で、きゅうりの端をちょんと前足で転がして、すぐに飽きていました。明日は職場に、三本ほど持っていくつもりです。
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黄色くなったのは、種を抜いて炒めるといい。皮は厚めにむくこと。