母の背中を、思い出しました
母が亡くなって、もうすぐ一年になります。早いような、まだ昨日のことのような、不思議な一年でした。
今日は土曜日で、仕事は休みでした。朝は冷えて、氷点下の空気がきりっとしていましたが、昼には日がさして、窓辺が明るくなりました。ミケが日だまりで丸くなっているのを見ていたら、ふと、母の丸い背中を思い出しました。
母は小柄で、年をとるほど背中が丸くなっていました。実家に行くと、台所の椅子に小さく座って、私が来るのを待っていてくれました。「寒いのに、よく来たね」と言って、いつも先にストーブの前の席をあけてくれるのです。看護師の私が、母の体を気づかう立場のはずなのに、帰るときには、いつも私のほうが気づかわれていました。
病院で患者さんの背中をさすっていると、ときどき母の背中の感触が重なります。手のひらに伝わる、あのあたたかさと、骨の細さです。さすりながら「ゆっくりでいいですよ」と声をかけると、自分にも言っているような気持ちになります。
夕方、夫が「お母さんの命日、もうすぐだな」とぽつりと言いました。無口な人ですが、ちゃんと覚えていてくれたのだと、少し笑いました。来週あたり、仏壇の花を新しくしようと思います。
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