ミケは、母の座布団が好きです
土曜日の午後、霧雨がやんで、窓を開けると涼しい風が入ってきました。ミケは、居間の隅で丸くなっています。そこは、母の家から持ってきた座布団を敷いた場所です。
母が亡くなって半年ほどたちました。実家を片づけたとき、使い込んで少しへたった座布団だけは、捨てられませんでした。家に置いておいたら、いつのまにかミケが一番に陣取りました。母のにおいが残っているのか、ただ具合がいいだけなのか、猫に聞いてもわかりません。
夕方、近くの朝日ヶ丘神社まで、夫と少し歩きました。境内の銀杏は、まだ青々としています。帰ってくると、ミケが玄関で待っていて、座布団の上へ先回りして、また丸くなりました。丸々とした背中が、座布団からはみ出しています。
母は猫が少し苦手でしたが、ミケの背中を見ていると、「あらまあ」と笑いながら、見逃してくれそうな気がします。座布団は、しばらくこのまま、ミケに貸しておくことにしました。
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