手ぬぐいを一枚、鞄から出した昼
火曜の昼は、現場の仮設事務所で弁当をひらきました。外はくもりのち薄日で、前日よりは風も収まって、足場の鳴る音も思いのほか静かです。
ところで、わたしの鞄には、いつも手ぬぐいが一枚入っています。今日は寄席文字を染めたもので、汗を拭くのにも、弁当の下に敷くのにも、濡れた図面の端を押さえるのにも使えます。一枚で三役をこなす働き者で、段取りのよさでは部下より上かもしれません。
弁当を食べていると、出入りの職人さんに「それ、いい柄ですね」と声をかけられました。そこから十分ほど、手ぬぐいの染めの話と「大工調べ」の話になり、棟梁の啖呵のくだりになると、向こうのほうがよほど詳しいくらいで、検査前の張りつめた気分がふっとほどけた昼でした。
帰りの車では、配信で「初天神」を聴きました。子どもが団子の蜜をぜんぶ舐めてしまう場面ですが、わたしの手ぬぐいも午後のあいだに現場の埃をたっぷり舐めて、すっかり灰色になっています。洗えば、また一年生に戻りますよ。
コメント
こすず
ありがとうございます。今月は、市民ホールの会に行く予定です。蜜の場面を楽しみにしています。
ありがとうございます。今月は、市民ホールの会に行く予定です。蜜の場面を楽しみにしています。
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寄席文字の手ぬぐい、いいですねえ。「初天神」も、聴くたびに団子の蜜が気になります。今度の会は、行かれますか。