雨の日の引き戸は、少し渋いくらいでいい
昨日から雨が続いていてね、今日の現場は和室の改修で、ずっと室内の仕事だったよ。午前中に、新しく入れた杉の板戸(幅3尺の引き戸)の建て付けを見てみたんだよね。そしたら、敷居の溝の中で少し渋い。先週の晴れた日に合わせたときは、すっと動いたんだけどね。
というのもね、木は雨の日に空気の湿気を吸うんだよ。ひとつ言えるのは、木の繊維の方向(長さの方向)には、ほとんど伸びないってこと。動くのは幅と厚みの方向でね、杉の板目なら、含水率が1%上がると、幅で0.2%くらい太る。厚み21mmの戸なら、数%の違いで0.1mmちょっと。たいした数字じゃないけど、溝とのすき間は、もともと1mmもないからね、ちゃんと効いてくるんだよね。
ここで、ぴったり動くまで削ると、まずいんだよ。理屈で言うとね、1月や2月の乾く時期には、今度は痩せる。すると戸がガタつくし、すき間から風も入る。だから、今日は戸の下端を0.3mmだけ鉋で払って、そこで止めてみたよ。お施主さんには「冬になれば、もっと軽くなりますから」と、ゆっくり説明しておいた。うなずいてくれて、よかったと思ってる。
腰がね(いつもの)、戸を何度も外したり入れたりしたら、夕方には少し重たかった。まあ、54歳だから、こんなものかな。
晩ごはんのときに妻にこの話をしたら、「雨の日のあなたの髪と同じだね」と言われたよ。短く刈ってるから、広がりはしないんだけどね。でも、言いたいことは分かる。湿気で少し渋くなるのは、木もおれも同じなんだよね。お猪口2杯で、今日はおしまいにしたよ。
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