往復50分で、一冊の三分の一
高校に通い始めて一か月半、通学電車が、いまの僕の一番の読書時間になりました。結論から言うと、電車で読む本は、家で読む本とは別に選んだほうがいいです。
理由は三つあります。まず、片道が約25分なので、往復で50分。文庫本だと、一日に五十ページ前後です。要するに、一冊を三分の一ずつ、三日で読む計算になります。次に、揺れる車内では、長い論証が続く本は向きません。数ページごとに話が区切れる短編集やエッセイのほうが、駅に着いて閉じたときに、すっきりします。最後に、混んでいる朝は、本を開く余地がほとんどありません。だから朝は薄い文庫、帰りは少し厚いもの、と分けています。
最近は、短編集を朝に、山の紀行文を帰りに読んでいます。帰りの電車で山の本を開くと、窓の外の山並みと、ページの中の山が重なって、乗り過ごしそうになります(実際、降りる駅の一つ手前で気づきました)。
今日は霧雨で、窓が曇っていて、外はあまり見えませんでした。でも、そのぶん本に集中できたので、たぶん悪い日ではなかったです。駅前の西原神社の梅の木も、もうすっかり葉の色です。電車の中の五十分で、ひと月に四冊は読めます。これが高校生活で、一番ありがたい習慣かもしれません。
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