雪の駅前、ワイパーの音
朝、駅前で雪がちらついた。最初は粉みたいなやつで、ワイパーを動かすほどでもなかった。昼前からぼたっと大きくなって、フロントガラスに落ちてはすぐ消えた。
乗せたお客さんも、窓から城山の石垣が白くなっているのを見ていた。「きれいやね」と言われて、わたしも運転しながらちょっとだけ見上げた。ちらっとだけ。
田んぼ道は白と茶色のまだらで、スピードを落としてブレーキはそっと踏んだ。腰にくるけん、信号待ちのたびに座り直した。病院の前は傘をさしたお年寄りが多くて、足元のほう、気をつけてくださいと声をかけた。
正月の地震のことは、ずっと頭にある。雪の日にラジオで被災地の寒さを聞いて、こっちは暖房のきいた車の中やなと思った。何ができるわけでもなく、募金をスーパーのレジの箱に少し入れたくらい。
夕方、入庫の前に洗車機に通したら、車体の雪が流れていった。帰って紅茶。アッサムを濃いめに淹れた。まあ、そんなもん。
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