新しい理科室の窓から
四月に異動して、もう半年近くになります。それでもまだ、職員室で自分の席にたどり着くまでに、一度は廊下を曲がり間違えます。要するに、体が新しい校舎の寸法を覚えていないのです。
今朝は小雨でした。七時すぎに着いて、まず理科室の窓を開けました。前の学校と違って、ここは窓が北向きで、校舎裏の植え込みがすぐ下に見えます。双眼鏡を出すまでもなく、ヒヨドリが二羽、ネズミモチの実をつついていました。雨の朝は、鳥も案外のんびりしています。ちなみに、ヒヨドリは秋になると群れで渡る個体がいて、このへんの海沿いでも、まとまって飛ぶ姿が見られます。
準備室の棚は、前任の先生の字でラベルが貼ってあります。「ビーカー(大)」「ビーカー(大・古)」と、区別がよく分かりません。どちらが古いのか、いまだに僕には判別できず、結局、全部出して並べてみました。理屈で整理しようとすると、どうも時間がかかります(笑)。
生徒たちは、まだ僕の話し方の早さに慣れていないようです。授業のあとに「先生、もう一回ゆっくり」と言われて、はい、と答えたものの、ゆっくり話すと今度は自分のほうが落ち着かない。不思議なもので、前の学校では誰にも言われなかったことです。朝の五分観察は、ここでも始めるつもりでいます。まあ、そういうことです。
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