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吸わない日曜
日曜は店が休みで、きょうは朝から霧雨だった。なんとなく、煙草を吸わない日曜をやってみようと思った。
起きたのは昼すぎ。濃いコーヒーを淹れて、窓のそばに立ったら、手がもう箱のほうへ行っていた。最初の一本まで、二十分もたなかった。順番が、体にしみているんだよね、たぶん。そこへぬかが膝にのってきて、小さなくしゃみをひとつした。一歳の猫に、わたしの煙の言い分は、まだ通らない。
灰皿の横の箱は、五百円台。月にすると、古着が二着は買える。そういう計算だけは、なぜか得意なのだった。
夕方、傘をさして、駅前の千鳥座の前まで歩いた。マスクの内側が、ぬるく湿る。マスクをしたままでは吸えないから、歩いているあいだは、自然に本数が減る。世の中のほうに、少しずつ減らしてもらっている感じ。自分で決めたことにしたいのに、そうはいかないところが、いかにもわたしだ。帰りにコンビニでお茶を買ったら、お会計のほうになります、と言われて、百五十円払った。
夜、ぬかが寝たのを見て、窓をあけて一本だけ吸った。霧雨の向こうで、線路の灯りがにじんでいた。
やめるのは、たぶん、もう少しあとの話。まあ、いいか。
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