校正刷りの赤い線
今日は朝から小雨で、蒸し暑い一日でした。窓を少しだけ開けて、会社の机でカタログの校正刷りを見ていました。
校正刷りというのは、印刷に回す前の、確認用の見本です。赤ペンで直しを入れていくのですが、見ているうちに、赤い線がだんだん増えてしまうことがあります。文字の間隔を0.5ポイント詰める、写真の位置を1ミリ上げる。直した本人にしか分からないような差ですが、そのわずかな差で、ページの落ち着きが変わります。
以前、先輩に「直しは、気づかれないのがいちばんいい」と言われたことがあります。読む人が引っかからずにページをめくっていければ、それで仕事は足りている、という意味でした。その頃は少し寂しい話に聞こえましたが、近ごろは、なるほどと思うようになりました。
今日は赤を入れた枚数のわりに、直しは少なく済みました。夕方、ペンのキャップを閉めたとき、インクが思ったより減っていないのが、妙にうれしかったです。
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