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二千円が四十分で溶けた金曜
小雨の金曜、帰りに財布を開けたら千円札が二枚と小銭だけやった。給料日まであと二日。
まっすぐ帰ればええのに、駅前のパチンコ屋に入った。二枚とも四十分で溶けた。競馬では借金せんと決めとるくせに、これは勝手に例外にしとる。卑怯者の理屈や。残った小銭で、そのまま缶の酎ハイを買った。ほんで帰って留守電を聞いたら、ホームからやった。母の費用が、残高不足で引き落とせんかったと。母の寝る場所の金で、俺は打って飲んどる。
腹の底が煮えて、あの班長の顔が浮かんだ。「ミスは自己責任な」と派遣にだけ言う、あのボケや。まず朝礼で、標語を唱える口にハンディ端末をねじ込む。前歯が割れて、血の混じった唾がベストに垂れる。次にフォークリフトで棚の前へ追い詰める。爪を上げたまま、ゆっくり押す。骨の鳴る音がして、班長は失禁して、床にゲロを撒きながら「やめてくれ」と泣く。その頭を安全靴で踏む。カス、社員様のご立派な人生とやら、替えのきく部品やんけ。
そこまで想像して、酎ハイの二本目を開けた。母の金を溶かした男が、他人を踏んで気持ちよくなっとる。班長より、俺のほうがよっぽど腐っとるわ。
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