雪の朝、短波が入った
朝五時、まだ暗かった。雪が窓のさんに薄くたまっていて、部屋の空気が冷たい。熱い番茶をいれて、机のラジオのスイッチを入れた。
今日は休みだった。夜勤明けではないけれど、くせで早く目がさめた。ダイヤルをゆっくりまわしていくと、短波の高いところで、外国語の放送がふっと入ってきた。女の人の声だった。何を言っているのかは、わからない。ただ、雑音の向こうで声が出たり引っこんだりするのを、しばらく聞いていた。雪の夜明けは、遠くの局がよく聞こえる気がする。ていうか、空気が澄んでいるのかな、と思う。高校の無線部のころも、冬がいちばんよく入った。
七時すぎ、母が畑のほうを見に行くと言うので、ついて出た。雪の上に足あとがひとつ。八幡さままで行く気だったが、道がすべるのでやめた。腰にもよくない。
年の暮れに、こういう朝がもらえるのはありがたい、と言うと大げさだろうか。まあ、そのくらいの朝だった。
ラジオ消し雪の音だけ残りけり
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