帰ったら、自分の部屋が物置になっていた
金曜、仕事のあとに実家へ寄った。車で二十分。帰省と呼ぶには近すぎる。
玄関を開けると、母が「あら、ごはんは?」と言った。まず「ただいま」じゃないのか。まあ、いつもこうだ。
二階の自分の部屋を見に行った。段ボールが四つ、扇風機、使っていない座布団の山。完全に物置だった。ベッドだけは残っているが、上に冬用の布団が積んである。一人暮らしを始めて二年。もう、ここは自分の部屋ではないらしい。少しだけ寂しい、と書いておく。少しだけ。
机の引き出しを開けたら、高校のときの定期入れが出てきた。中の定期券は、とっくに期限切れ。自転車通学だったのに、なんで定期券があるのか。たぶん雨の日用だ。自分で自分に、そこまで考えるなと思った。
父は居間でテレビを見ていて、こっちを見ずに「おう」と言った。妹は課題があるとかで、部屋から出てこなかった。全員、通常運転。
帰りに母が、持って帰れと袋を渡してきた。中身は、ティッシュとタオルと、なぜか電球。助かるけど、電球はいつ使うんだろう。とりあえず玄関に置いた。
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