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しゅん

玄関の靴が、一足だけ増えていた

2016-01-15 · カテゴリ: 日常

仕事から帰ると、玄関の靴が一足多かった。見覚えのない、白いスニーカー。妹のものだった。

大学に入ってから、妹は靴をよく買う。買うたびに、家族の誰にも報告しない。だから玄関は、毎週少しずつ変わっていく。間違い探しの絵みたいだ。ちなみに、俺の靴は仕事用の黒い革靴が一足と、休日用が一足。入れ替わりが、ほぼない。

実家から会社まで、車で35分。通勤だけを考えれば、近いとは言えない。それでも、朝起きるとご飯が出てくるし、洗濯物はいつのまにかたたまれている。今の給料で、これを手放すのは難しい。母に「洗濯機の使い方、あんたわかるの」と言われたことがある。わかる。たぶん。

夕飯のあと、居間でテレビを見ていたら、父が黙って自分の湯のみに茶を入れ、ついでに俺の分も入れてくれた。何も言わない。俺も何も言わない。礼を言うほどのことでもなく、言わないほどのことでもない。こういう距離で34年やってきた。

部屋に戻る前に、玄関をもう一度見た。妹の白いスニーカーは、今日もきれいだった。いつまで白いままか、ひそかに見守ることにした。

実家家族日常

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