端切れの箱から、母の浴衣が出てきました
今日は土曜日で、病院はお休みでした。朝から雪がちらついて、窓の外は白くかすんでいました。夫は囲碁の本を広げ、ミケはストーブの前で丸くなっています。
母の家を片づけていたときに持ち帰った段ボール箱を、ようやく開けました。中には、母が縫い物に使っていた端切れが、きちんと畳んでしまってありました。いちばん下から、藍色の古い浴衣の、袖の部分が出てきました。私が子どものころ、夏祭りに着せてもらったものと同じ柄でした。
色は少し褪せていましたが、布は不思議なほどしっかりしていました。手に取ると、かすかにたんすの匂いがします。母は、使えるところは捨てずに、雑巾や座布団に仕立て直す人でした。きっとこの袖も、いつか何かにするつもりだったのでしょう。
教室で習っているパッチワークに、少しだけ使ってみようと思います。小さな鍋敷きか、初孫のための、ちいさな敷物がいいでしょうか。針に糸を通して、まずは布を一枚ずつ、アイロンで伸ばしました。膝の上に藍色を広げていると、母がすぐ隣で縫い物をしているような気がして、手がいつもよりゆっくり動きました。
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