十四になった孫の背
長女から、写真が届いた。孫の颯太が、玄関の柱の前に立っとる。もう十四だに。
去年の正月に会ったときは、わしの肩のあたりだった。写真を見ると、どうも母親より、頭ひとつ近く高い。長女の言うには、この一年で、八センチ伸びたそうだ。ズボンのすそが、すぐ足りなくなるらしい。ふふ、わしが十四のころは、茶畑の手伝いばかりしとって、背など測ったこともなかったもんだ。
思い出すのは、二、三年前の夏のこと。この子はまだ、作業場の隅で、かんなくずを髪に付けて遊んどった。削りくずが薄く長く出ると、目を丸くしてな。「じいじ、紙みたい」と言った。あの声は、まだ変わる前だった。
いまは、ビデオ通話の画面で、低い声が少し混じる。口数は少ない。「うん」と「まあ」が多い。わしも人のことは言えんが、血だずら。
妻がおったら、すぐ制服の寸法を気にして、あれこれ送ったろうに。わしは何もできん。せめて、夏に来たら、柱に背の高さを刻んでやろうと思う。鉛筆の印でもいい。去年の分は、ちゃんと残しとるでな。
縁側でそんなことを考えとると、サバが膝に乗ってきた。重い。
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