腰に湿布を貼って
朝、起きがけに腰がぴしっときた。布団の上で、しばらく動かんかったでな、天井の板目を数えとった。
昨日の夕方、作業場で長い鴨居を持ち上げたのがいかんかった。ひとりで持てる重さだと思ったんだけど。まあ、歳ずら。五十八にもなって、若いころと同じ顔で材木に向かっとっては、体が怒るのも無理はない。
湿布を一枚、腰の左に貼った。それから、ゆっくり起きて、茶を一杯いれた。台所の窓の外はくもっとって、今朝の冷え込みは最低で2度ほどだったに。冬は咳も出るし、腰もこたえる。長いこと木くずを吸ってきた体だでな。
昔はな、親方に「重いものは、腰で持つな、膝で持て」と言われた。手を動かしてみりゃ分かる、その通りだに。分かっとって、やらんかった。わしの落ち度だ。
昼までは作業場に入らんことにして、居間の火鉢の脇に座っとったら、クロが膝に乗ってきた。重いが、どかせん。腰にはよくないはずだが、あったかくて、まあ、いい。ふふ、わしの負けだ。
明日は弟子が来るで、力仕事はあれに頼むとしよう。ぼちぼち、ゆっくりやる。
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