小さい画面の孫
朝から小雨でな、作業場に出る前に居間をのぞくと、妻が携帯を見て笑っとった。長女から写メが届いたそうだ。孫が生まれて、ふた月になる。
「見てみりん」と言われて、のぞいてみた。画面が小さくて、老眼鏡をかけても、目も鼻もよく分からん。妻は「ここ、おとうさんに似とるに。眉が濃いもの」と言うが、わしにはただの小さい点に見える。ふふ、まあ、そういうことにしておく。
わしも携帯は持っとるが、メールの開き方がいまだにあやしい。昨夜、妻に教わった手順を紙に書いて、財布に入れた。ボタンを三つ、順番に押す。それだけのことだに。昔はな、道具の手順は一度見りゃ体が覚えたもんだが、これは手を動かしてもなかなか入ってこん。
そのあと妻と話して、孫に積み木を作ってやりたいと言ってみた。角を丸くして、口に入れてもいいように、やすりを細かい番手で三回かける。塗料は使わず、檜のままでいい。妻は「まだ早いら、首もすわっとらんのに」と笑う。そりゃそうだ。ちゃんと会いに行って、抱かせてもらって、それからだ。
材は棚にある。去年、障子の枠を取った檜の端材で、乾きは十分だ。クロは妻の膝で丸くなって、雨の日は動かん。昼から端材を出して、まず寸法をそろえる。一辺三センチ、二十個。数だけ決めた。急ぐといかんので、ぼちぼちやる。
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