霧雨の防波堤と、むぎと留守番の時間
月曜の仕事が終わってから、まっすぐ帰らずに、海のほうへ少し遠回りをしました。朝から霧雨がずっと続いていて、傘をさすほどでもないのに、髪や上着がうっすら湿ってくる天気です。今日の最高気温は16.7℃ほど。日曜までは25℃を超える日もあったので、上着を一枚足してちょうどよい涼しさでした。
防波堤の上を、端まで歩いて往復しました。往復で、およそ二十分。霧で水平線は見えず、海と空の境目が、灰色のまま溶けています。釣り人は一人だけ。波の音と、かすかに聞こえる船の汽笛だけで、頭の中の「今週の試作の段取り」が、少しずつほどけていきました。三月の地震のあと、しばらくは夜になっても落ち着かない日が続きました。こうして同じ道を同じように歩ける、というだけで、ありがたく思う日があります。
足元には、昨日の雨で流れ着いた貝殻と海藻が、たくさん落ちていました。靴の底に砂をつけたまま帰ったら、玄関で、むぎが待っていました。むぎは二歳になって、すっかり家の主の顔です。靴をくんくん、くんくん。海のにおいが珍しいらしく、鼻をひくひくさせて、私の足首に頭をぐりぐり。ごはんの前なのに、においの調査のほうが先なのです。かわいいので、そのまま五分くらい、靴下を嗅がせてあげました。
来月、引っ越しの予定があります。今の部屋から海までは歩いて行けるので、この散歩道も、しばらく通えなくなるかもしれません。新しい部屋でも、むぎが窓辺で外を眺められる場所を、先に決めておくつもりです。明日はたぶん、晴れ間が出そうです。
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