ストーブの正面は、むぎの席になった
早番を終えて帰ると、外は小雨で、気温は一桁のまま。朝から十度に届いていないわけで、さすがに今年はじめて、石油ストーブを出しました。灯油は先週、妻がポリタンク一つぶん買ってきてくれていた。十八リットルで二千五百円ほど。去年より、少し高い気がする。(気がするだけで、家計簿は見ていない)
点火して三分。気づいたら、むぎがストーブの正面に座っていました。おれが決めた安全な距離より、たぶん十センチ近い。ガードは付けてあるので、まあ、焦げはしないでしょう。去年の冬もこうだったけどね。一年あれば忘れるかと思っていたら、まったく忘れていない。猫の記憶力を、少し見くびっていました。
妻は「ストーブ出したの、むぎのためでしょう」と言う。否定はしない。理屈の上では、人間が寒いから出したはずなんですよ。それなのに結果として、いちばん暖かい場所はむぎのもので、おれと妻はその後ろで、ゆっくり温まるのを待っている。順番が、逆だな。
夜は、ネックウォーマーの続きを編みました。ストーブのそばだと、指がよく動く。毛糸玉が一つ、むぎの方へ転がっていって、案の定、取り返すのに五分かかった。誰も驚いていない。今年の冬も、この並びで過ごすことになりそうです。
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