父の定年まで、あと一週間
来週の月曜で、父が市役所を定年になります。正確には、誕生日の関係で、先週の月曜が最後の勤務日でした。60歳まで勤めたのですから、38年ほどになります。
日曜に実家へ寄ったとき、父は玄関の靴箱の上に、もらった花束を置いていました。職場の人たちからだそうです。本人は「大げさだ」と言いながら、花瓶を探して家中を歩いていました。口数は少ないままです。ただ、机の引き出しから昔の道路の図面を出してきて、ここは自分が担当した、と二つだけ教えてくれました。聞けば答えますが、自分からは話さない人です。
母は、父が家にいることに慣れないようで、昼ごはんの支度が二人分になったと笑っていました。来年からは再任用で、また働くことは決まっています。それでも、毎朝の出勤が一度途切れるだけで、家の空気は少し変わるものだと感じました。
そういえば、帰り際に父が「あの川沿いの道は、桜が植わってから三十年になる」とぽつりと言いました。散歩のついでに、一度歩いてみようと思います。花束の花は、母いわく、あと十日はもちそうです。
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