12月の鑿は、研ぎ上がりが早い
今日は現場が半日で片づいたので、早めに会社へ戻って、鑿(のみ)を3本研いだ。くもりで、日もそれなりに差したが、風が弱くて助かった。最高気温は11度ちょっと。手がかじかむほどではない。
研いでいて気づいたのは、水が冷たいと、刃がやけに早く仕上がる気がすることだ。気のせいかもしれないが、夏より砥石の上の泥がだれない。粗い砥石で裏を押さえ、中砥、仕上げと進めて、最後に爪に当てる。引っかかれば、まだ。毎回これで確かめている。
若手に「何分くらいかけるんですか」と聞かれた。時間で決めるものではない、と答えたら、不満そうな顔をされた。自分も20代のころ、親方に同じことを言われて、同じ顔をしたのを思い出して、少し笑った。刃の返りが全部消えて、光が一本の線になる。そこまでが一回の研ぎで、時計は関係ない。
帰りに月見通りの金物屋に寄って、仕上げ砥石の面直し用の小さな砥石を買った。砥石も、平らにしてやらないと、刃が丸くなる。道具の世話は、結局どれも地味だ。
夜は犬の散歩のついでに、空を見上げた。雲が厚くて、星はひとつも見えなかった。今夜は鑿の光だけで、よしとする。
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