段ボール十四個目の行方
中古のマンションに越してきて、そろそろ二週間になります。連休の前半は強い雨が二日続き、今日は霧雨で窓の外がけぶっているので、出かけるには微妙な空模様だと見て、ひとまず荷ほどきの残りに充てました。
段ボールは全部で四十二個あり、開けたものから中身と置き場所をノートに記録しています。現場の検収と同じ要領で、数が合わないと落ち着かないのです。ところが数えてみると開封済みは四十一個で、一個足りません。夫に聞くと「台所じゃないの」と言うのですが、台所の箱はもう全部開けてしまいました。
結局、押入れの奥から出てきたのは、わたしの作業靴と手ぬぐいと、長女のクレヨンの缶が入った箱でした。いちばん上には、自分の字で「あとで」と書いた付箋が貼ってあり、あとで、と書いた本人がいちばん最初にそれを忘れているのですから、どうにも笑うしかありません(笑)。
新しい部屋は、図面で見るよりも実際に立ってみたほうが広く感じられます。長女は廊下を端から端まで走って歩数を数え、五歩と半分だと教えてくれました。窓からは海の方角の空が少しだけ見えて、段ボールの数も合ったことですし、今夜は一合だけ日本酒をいただくことにします。これも何かの縁です、と引っ越しの神様に言い訳をしながら。
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